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2008.09.12 (Fri)

青い地球

ボクは、地球の姿を、写真でしか見たことがない。青く浮かび上がる綺麗な星は、ロマンチックで、太陽系のどの星よりも美しい宝石のように思う。

だけれど、この映像が事実かどうかなんて、誰にも解らない。何しろ地球を見たことがある人は極限られているし、情報を操作することなんて、たやすいことに思える。

こう書くと、何だかボクは酷くうたぐり深い人間のようだが、この世はかくも操作的で、隠蔽されている。もたらされた、この世の全てと思い込むに値する情報に塗れて、何が本当のことなのかも、忘れてしまう。

科学の光が照らし出した、解明された明るい世界で、なにもかも予測された安心な世界になったのに、人間の抱えた不安の大きさときたら!

天災や病気のような、理由ある不安が薄れた代わりに、理由なき不安が増幅する。何もかも解ったツケが、現代の病んだ精神だ。


それでもボクは地球が青いと信じているし、知らされた情報に塗れて安心していたい。

もう進んだ文明は戻らないし、ボク達は知ってしまったことを消せやしないのだ。
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2008.09.07 (Sun)

物語の主人公

本を読んでいて、時々内容が頭に入ってこなくて、何度も字面だけを追っていることがある。そういうときは結局未消化になるので、軽く読んで先に進んでしまえばいいのかもしれないが、何度か足踏みをしている時がある。

高校生の時、いわゆる文学作品を読む時に、特にそういうことがあった。トーマス・マンやモーム、ドフトエフスキー・・・今思えば、高校生には早い内容だったが、理解できない頃に目を通しておくことも悪くなかったと思う。

その頃ボクは早く、世界の真実を知りたかった。

これらの小説は、どれも勧善懲悪ではなく、子供が思いを肩入れするようなキャラクターはいない。主人公は悩み、苦しんでいることが多く、自分を投影し続けるには少し受け入れがたい。悪事や不貞を働き、あるいは裏切りを、また救われないような騙され方をする・・・読んでいても不愉快になるような、重苦しさを、主人公を通して体験していく。
自分自身が、物語の主人公と同じように矛盾だらけの苦しみを背負った“人間という存在”だと、ぼんやりとは解りはじめているが、まだリアリティがない。そんな時代に読んだ物語は、悪い夢の様な後味だった。


子供向けに書かれた本のスタイルは、主人公が子供の自己投影に値する人物像で書かれていることだろう。それは、人物像にきちんと筋書きがあって、安心して自身を預けられるような存在だ。

そして、大人に向けて書かれた物語は、主人公自身の人格も、立場も、安定を掴んだ先からまた揺らぐ、不安定な存在だ。その不安定さの中に紛れて実は確実さがちゃんとあるのだが、その確実さは、読み手が自分の中にも確実さを見つけていないと、見えてこないように仕組まれている。簡単には見えないからこそ、人生を掛けて求めつづけ、生きる動機にもなりうる。

この世の真実があるのだと、大人になった今でもボクは信じて、追い求めている。

テーマ : 文明・文化&思想 ジャンル : 学問・文化・芸術

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